不妊症
元氣堂の不妊治療
不妊治療は妊娠まで数年を要することもあれば、数回の治療で懐妊したり、とても不可解なところがあります。
原因は女性ばかりにあるわけではありません。やはり男性と女性に半分ずつあります。
妊娠は子宮内で成立しますが、東洋医学では腎臓、肝臓、脾臓などを治療対象とします。また血液循環を調えたり、水分代謝を改善したりと全身的な治療を行います。
その結果として、女性は月経や子宮環境が調い、男性はからだの元気がついて気持ちもゆるみ、目標に向けた好条件がそろいます。
当院では、漢方薬や鍼灸治療を通して、お子さまの誕生をお望みになるお二人がこのようなからだになっていただき、ご希望がかなうようお手伝いをさせていただきます。
くりかえしになりますが、不妊は女性だけの問題ではありません。ときにはご夫婦そろって検査を受ける、治療を受けるといったことも必要になります。
以下のような方、元氣堂がサポートさせていただきます。
いま、不妊治療をはじめようと思われている方
病院で検査を受けても、不妊の原因がわからない方
ホルモンのバランスが悪いと診断された方
卵巣機能の低下がみられると診断された方
長期間投薬治療を受けているにもかかわらず妊娠しづらい方
多嚢胞性卵巣、黄体機能不全、卵管通過障害などがあると診断された方
子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣チョコレート嚢胞の診断を受けたが、いまのところ経過を観察しつつ妊娠を期待している方
着床しても流産をくりかえしてしまう方
出産後、着床しづらくなった方
男性に対する鍼灸・漢方における治療対象は、①検査をしても原因が明らかにならない場合、②性交障害、および③通常の性交が可能な方の精子運動率や精液状況の改善です。精索静脈瘤の場合は手術療法が有効です。きわめて精子数が少ない場合には、人工授精、体外受精などが試みられています。
性交障害
陰茎が勃起せず性交ができない場合、あるいは性交はできても射精しない場合。
精子の異常
健康な男子が一回の射精で射出する精液は1~5mlで平均すると3ml程度であり、精子の数は、精液1mlあたり8000万程度です。
これが3000万以下になると精子減少症あるいは乏精子症といい、妊娠の確立は低下します。
また精液中に精子が見られない場合は、無精子症と呼ばれ、精子の運動性が見られない場合は精子無力症と呼ばれます。
こうしたことがおこる原因については、ほとんどが不明です。その多くは性腺刺激ホルモンの値が高く、睾丸が萎縮しています。
4、5日禁欲したあとの精液を採取して、精液量が1~2ml以上、精子数は精液1ml中に400万以上、運動率50パーセント以上、奇形率15パーセント以下の場合には子供ができる可能性があります。
また睾丸を栄養する静脈が怒張して青黒く蛇行して見える精索静脈瘤が原因となっている場合が不妊男性の約3割に見られます。症状を取り除く手術を行ったあとに妊娠する確率は5割程度といわれています。
逆行性射精で膀胱のほうへ精子が射出される場合は、この精子を回収して人工授精することで、妊娠できる場合があります。
運動精子が1mlあたり500万以上であれば、精子減少症でも、人工授精で妊娠することが期待できます。
無精子症は、従来、妊娠はまったく無理とされてきましたが、精巣上体や睾丸から精子または未成熟な精子を取り出して、顕微鏡で見ながら卵子内に精子を注入して受精させることができるケースもあり、男性不妊のかなりの部分が解決されつつあります。
妊娠・出産のための体づくり
症例) 30代後半 女性
結婚して5年。2年前に6週での流産を経験している。年齢的に30代の後半にさしかかってきたこともあり、半年前から婦人科で不妊に関する検査を受けることにした。そこでは夫婦ともに妊娠するにあたり器質的に大きな異常がみられなかったので、今のところタイミング療法を行っている段階。できるだけ自然なかたちでの妊娠を望んでおり、漢方薬も3か月前から服用している。生理痛はほとんどないが、ときどき不正出血することがある。パートナーの精子にも異常はみられない。
時間的に不規則な仕事をされており、身体は疲れ気味。ストレスは常に感じている。そのようにストレスでイライラするときには、甘いもの(好きなチョコレート)に頼ってしまう。年齢的に30代の後半にさしかかってきたこともあり、腎気を調節する治療に加えて、疲労回復、およびストレスで悪化した気の流れを快復することを目標に治療を行った。それとお腹に触れると、下腹部が冷えていたので、その部分をとくにお灸で温めるようにした。生理の前後に鍼灸治療を行うことにしたが、すぐにそれまではあいまいだった高温期と低温期の差がはっきりとしはじめ、不正出血も見られないようになってきた。自宅でもお灸をしていただくことにしたが、徐々に手足の冷えも改善してきた。鍼灸治療を始めてから5か月後に妊娠検査薬と基礎体温表で妊娠を確認することができた。その後も出産まで三陰交のお灸を継続していただき、無事に出産することができた。このようなケースは男女ともに年齢的にも比較的に若く、条件が整っていたからこその結果である。不妊治療はこのようにハッピーエンドのことばかりではない。
不妊治療に関して、鍼灸や漢方薬にできることは、とても狭い範囲に限定されている。たとえば排卵を誘発したり卵管を通すとか人工授精、顕微授精などはまったくもって手がとどかない。不妊専門医の為すべきところにある。ただし、鍼灸や漢方薬には、それらの西洋医学的な治療により、疲弊した心身の回復、基礎となる男女の体力づくり、女性の生理周期の乱れを改善してメリハリのある生理周期をつくること、ストレスによる気滞の解消などさまざまな貢献ができます。不妊治療の現状をみると、東洋医学は地味ですが縁の下の力持ち的な存在でしっかりサポートすることができます。