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第48号~かぜを防ごう(2016年12月)


秋から冬になるとすぐにカゼを引いてしまう方がいらっしゃるので対策をねってみましょう。
なるほどたしかに、わたしたちのからだの中には、たえず細菌やウイルスなどが侵入してきます。冬は空気が乾燥しているのでウイルスなどの勢いも増しています。しかし、そのたびごとに病気になっているわけではありません。からだには、侵入してきた悪いものを退治する機能がそなわっているからです。それを免疫といいます。東洋医学ではこれと同じようなはたらきをそなえる機能を「衛気(えき)」と呼びます。衛気は汗とともにからだ全体を温め、つつむようにガードしています。ここで使われている「衛」という字は、護衛、守衛、防衛など、周囲を巡回してまもるという意味をもちます。

 

東洋医学の古典には、秋に活動しすぎてたくさん汗をかいてしまうと冬に病気になりやすい、というようなことが書かれています。人間というものは汗をかくとからだが冷えるしくみになっています。夏であればそれは必要なことです。しかし、秋から冬にかけてたくさんの汗をかくと、外の気温の影響から、からだが冷えを受け入れてしまい簡単にカゼを引きます。古典の記載は、汗をかくこと自体は悪いことではないが、季節によりその量は調節すべき、という忠告です。なぜ汗のかき過ぎが時にからだに良くないかというと、汗とともにからだをまもる「衛気」が大量に出ていくと考えるからです。ふだん衛気は、からだを取り囲んで悪いものが入ってこないようにガードしてくれています。たとえ悪いものが入ったとしてもそれと闘い、追い払います。そのような衛気が、一度に汗とともに大量に出て行くと、国境警備が仕事をさぼるようなもので、からだにスキができます。そのスキにつけこんで、細菌やウイルスが侵入するために、カゼを引いてしまうわけです。

 

とかく、汗をかくことがお肌を美しく保ち、無条件にからだに良いことのように思われているふしがあります。その証拠に、美容のため、という理由で多くの女性が岩盤浴やサウナなどを利用します。しかしサウナの発祥は北欧であり、本来は雪や寒さなどにより屋外で運動して汗をかくことができない人たちの新陳代謝をうながすものです。わたしたちのように四季のはっきりした国に住むものは、からだを動かして汗をかくことに重きを置いたほうがよさそうです(サウナ好きの方、すみません)。季節を考えずにむやみにからだをまもる汗を排泄するのは健康をそこなうことにつながります。もともと暑がりで体力がある人であればそれもけっこうです。飲食物からふたたび汗や衛気をつくりだすことが容易だからです。しかし代謝の悪い、むくみやすい、冷え性の女性がダイエット目的で多量の汗をかいていくと、身体から衛気がどんどん抜けてしまい、冷えが加速します。このような症例は、私の臨床において、とても多くみられます。東洋医学では、汗はからだを潤す単なる水分ではなく、からだをガードして悪いものから防ぐ、エネルギーなのです!そのようなエネルギーをつくりだすには、内臓を使ったそれなりの労力が要ります。ざっくばらんに言ってしまうと、汗を作るのはからだにとってかったるいことなのです。スポーツ飲料や麦茶などを飲めばすぐに作られるものではありません。秋から冬にかけてなど、外気が冷たいころは、多量の汗をかくことを慎みたいものです。

 

さて、ここからはカゼの防ぎ方です。カゼを引きやすい人は、乾布摩擦を始めましょう。皮膚を摩擦することで、衛気のはたらきは強化され、カゼを引きづらい体質に変わります。
また背中にぞくぞくするような寒気を感じた時には、背中と首の付け根にある大きな背骨を中心としたところにドライヤーの温かい風をしばらく当てておきましょう。5分ほど温めておくと、カゼの引きはじめであれば回復することをしばしば経験します。東洋医学では、風邪が背中と首の付け根にある大きな背骨の辺りから入ってくると考えます。カゼの引きはじめにその辺りをじっくり温めて、じわっと汗が出ると寒気が抜けます。背中がぞくぞくするときにその辺りの皮脂を石鹸でしっかり洗ってしまうと垢とともに衛気も失うために、カゼが入り込みやすくなるので注意して下さい。
さらに、膝から下を冷やさないように心がけます。とくに靴下は大切なアイテムです。絹でできた五本指のものを履き、さらにその上に絹の靴下を重ね履きします。またレッグウォーマーなどを上手に使い、膝下がスースーしないように注意しましょう。しそ、しょうが、ねぎは発汗作用があり、カゼ引きそうかなあ、というようなときに食べると予防効果があります。れんこん、ぎんなん、やまいもなどもふだんから食べていると衛気を強くするのでカゼの予防にすぐれます。

 

元氣堂通信   コメント:0

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