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第15号 ~ 整体観(2007年1月)


0701今年の元氣堂通信は1年間を通して、東洋医学的なひとの身体の見方、病気についての考え方、治療をするうえでのルールなどについてお伝えしていきます。
1月号は東洋医学的な治療をおこなうさい、もっとも基本となるその独特な考え方である「整体観」についてお話します。
ちなみにここでいう「整体」とは体を整えるという意味ではありませんよ。

 

「整体観」には2つの意味があります。ひとつめはひとの身体というのが内臓、目・鼻・口、筋肉や皮膚などから感情にいたるまでしっかりと連絡をとりあって創られているということです。
すごく当たりまえのことのように思えますが、具体例を挙げてみましょう。東洋医学では、たとえばメガネをかけるようになるなど、目が悪くなることを肝臓のやまいと考えます。
耳が遠くなることを腎臓のやまいとも考えます。
食べ過ぎて口のはしが切れることを脾臓のやまいとも考えます。
皮膚のトラブルが多い人を肺臓のやまいとも考えます。
不安感がつよく夜も熟睡できないような人を心臓のやまいとも考えます。
このように「整体観」のひとつめの意味は、ひとの身体というものが内臓からいろいろな器官、皮膚や筋肉、さらには感情にいたるまで深く結びついて存在しているというものです。

 

「整体観」にはもうひとつの意味があります。それは自然界でおこる現象がひとの身体のなかでも起こりうるというものです。
四季折々、自然はさまざまな表情をあらわします。
風が吹く、雨が降る、蒸し蒸しする、霜が降りる、乾燥するなど、自然界の気候はそれぞれの季節において変化をくりかえします。
そもそもこのような気候の変化、季節の移り変わりというものはひとの健康を保つのにとても大切なものです。
しかし、ひとはやまいに倒れます。
人間観察にすぐれた古人は、これら自然界の気候の変化も、あまりに急激であったり長期化する場合には身体に悪い影響をおよぼすことに気づきました。

 

やまいが身体の中でおこる自然現象にすぎないという結論を下したのです。
やまいに対するこのような考え方は、「天人合一説」ともよばれています。
自然をよく観察してひとの身体に当てはめて考え、経験を重視して発展してきた東洋医学独特の発想です。

 

さあみなさん、東洋医学の基本的な考え方である「整体観」についてご理解いただけましたか?
簡単に言うと「ひとの身体は細胞から内臓、感情にいたるまで深く結びついており、そのようなひとの身体も自然界の存在の一部にすぎない」というものです。
このように東洋医学は「整体観」にもとづき、ひとの身体全体をよく観察したうえで自然界とのバランスを考えた治療を行います。

 

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