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第17号 ~ 治則(2007年3月)


0703東洋医学には治療原則が大きく二つ用意されています。
その治療原則のことを「治則(ちそく)」といいます。
治則は東洋医学的な治療をおこなうさい、守らなければならないとても大切なルールです。
車を運転する人にとっての交通ルールのようなものです。
私たち東洋医学的な治療をおこなう者は、このルールをしっかりと守り治療をおこなっています。
そこで今回の元氣堂通信はみなさんに、私たち東洋医学的な治療をおこなう者にとって守らなければならない二つの大切なルールをご紹介していきます。

 

ひとつめは「病気を治すためには、必ずその本質を見つけださなければならない」というものです。
病気の症状には必ずその原因となるものがあります。
東洋医学では、なぜそのような症状がでるのか、内臓はどのような状態なのか、病気の原因となるものを常に見つけだそうとする努力がなされています。
そして、病気の本質を見きわめた後は、それを取り除く手順が用意されています。
何かが足りなくて病気になっている場合は、その足りないものを補います。
何かが有り余っていて病気になっている場合は、その有り余っているものを取り除きます。
急性の症状や緊急の事態にはまず優先的にその治療をおこなった後、病気の本質に対する治療をおこないます。

 

ふたつめは「病気を治すためには、季節、土地柄、個人差を考慮して治療を行わなければならない」というものです。
東洋医学では、四季の気候の変化は人のからだに一定の影響を与えると考えます。
皮膚のキメも季節によってずいぶん違いがあります。
夏にはゆるみ、湿り気があります。
一方冬にはギュッと閉じて、乾燥した状態になります。

 

私たちはそのような季節によるからだの状態を把握して、それに適した刺激量や治療法を考えて治療をおこないます。
またどのような場所で生活しているのか、土地柄も考慮にいれます。
たとえば日当たりや風通しが悪く湿ったところに生活している人に対しては、特によく温めたり水分代謝が良くなるような治療をおこないます。
また四方を海で囲まれた、日本という土地に対しても考慮された治療がおこなわれています。
日本の食生活では、新鮮な刺身などがすぐに手に入るので、冷たいものや生ものが好まれる傾向にあります。
本来、胃腸は冷やしてしまうとはたらきが悪くなります。
そのような食生活を考慮して、治療にあたっては胃腸のはたらきを整えるような治療を積極的におこないます。
また体質や年齢の違いも重視します。
男女にはそれぞれ特有の病気があり、小児やお年寄りにも大きな体質の違いがあります。
生まれつきの素質・体力にも個人差はあります。
私たちは東洋医学的な考えにより、ひとりひとりの体質を見きわめたうえで、その人に適した治療をおこなっています。

 

元氣堂通信 第17号 治則   コメント:0