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第18号 ~ 陰陽説(2007年4月)


0703みなさんは陰陽(いんよう)という言葉を聞いたことがありますか?
陰陽とは、とても古い時代から中国にあったもののとらえ方で、とてもシンプルなものです。
その考え方とは、世の中に存在するあらゆるものはたとえ何であれ、すべて陰と陽の二つの要素から成り立っている、というものです。
思い当たるふしがいくつかあります。
たとえば、ヒトです。世の中にはどうあがいても男と女しかいませんよね。
この場合、男は陽であり、女は陰となります。
人生もそうです。ヒトは産声を上げた瞬間、死に向かい歩みつづけなければなりません。
この場合、陽が生きているということであり、陰は死を意味します。
このように、朝が陽なら夜は陰、天が陽なら地は陰など世の中の事柄にはそれこそ数えきれない陰と陽があります。

 

東洋医学はこのような陰陽の考え方を基礎にして発展してきました。
もちろんヒトのからだも陰と陽の二つの要素から成り立つ、と考えます。
具体的にいうと、陰はからだを形作る肉や骨のようなものです。
陽はからだを動かしたり、からだをあたためるエネルギーのようなものです。
さらに言うと、陰とは変化しないもの、静かなもの、つまり存在することです。
陽とは変化しやすいもの、活発なもの、つまり行動することです。
そしてヒトから陽の部分だけを、あるいは陰の部分だけを取り出すことができないように、陰陽はそれぞれひとつだけでは存在できないものなのです。
根はひとつなんですね。

 

みなさんは、健康であるということを、どのように表現されるのでしょうか?
東洋医学的にみると、健康とはからだの陰と陽のバランスが取れている状態のことをいいます。
シーソーに乗った陰と陽が平衡を保っているところをイメージするとわかりやすいと思います。

 

古い文献に記された健康的な人の生活は、「朝5時に太陽が昇ると共に目を覚まし、からだの気が昇り、夕方5時に太陽が沈むと共にからだの気がおさまり、休息し、夜11時になると眠りにつく」というものだそうです。
今の私たちの生活には、少々難しいことのようですが、このような暮らしをしていると、からだの陰陽のバランスがととのうようです。
ところがからだの調子がくずれると、健康なときには平衡を保っていたシーソーがどちらかに傾いてしまいます。
たとえばからだの陽が足りなくなると、シーソーは陰に傾き、体温を維持するはたらきがおとろえます。
すると手足が冷える、寒がる、色がうすくて多量の尿がでるといった症状をあらわします。
また、からだの陰が足りなくなると、シーソーは陽に傾き、からだを冷やすはたらきがおとろえます。
すると手足がほてる、寝汗、のぼせといった症状をあらわします。
健康なときには、陰陽の一方がもう一方のはたらきを確認しあいながらシーソーのつりあいを保っているんですね。

 

今や時代の影響を受けて、病気はとても複雑になっているように思えます。
でもそのような難しい複雑な病理も、からだのシーソーが陰に傾いているのか、陽に傾いているのかシンプルにとらえてバランスを調えていくと快方に向かうことがあります。
古代の考え方が通用するのは、からだのつくりそのものが古今東西そう変わってないからでしょうね。

 

元氣堂通信 第18号 陰陽説   コメント:0