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第19号 ~ 五行説(2007年5月)


0705前回、陰陽説のお話をしました。5月号は、陰陽説とならんで、東洋医学の基礎となる考え方である「五行(ごぎょう)説」についてお話します。

 

五行の五とは、木(もく)・火(か)・土(ど)・金(こん)・水(すい)の5つの要素をあらわしたもので、行は運行することを意味しています。
五行説では、世の中に存在するすべてのものや現象は、木・火・土・金・水とよばれる5つの要素を含み、その5つの要素がお互いに変化して、影響をしあいながら成り立つものとしています。
世界はいろいろな変化を起こします。四季もまた表情を変えて移ろいます。古代の中国の哲学家は、さまざまに変化する世界の移り変わりを理解しようと努力したすえに、五行説というとてもユニークなものを生みだしました。

 

五行説に則ると、ヒトのからだも5つの臓器が中心となって、お互いに影響しあいながら成り立つと考えられます。
中心となってからだを構成する5つの臓器は、五臓(ごぞう)と呼ばれ、それぞれを肝(かん)、心(しん)、脾(ひ)、肺(はい)、腎(じん)といいます。
これらの5つの臓器も五行と深く関わっています。

 

木(もく)は枝をぐんぐん張りめぐらしながら成長していきます。
肝(かん)はこのような木の性質を色濃くそなえています。
火(か)はめらめらと燃えさかる炎のことです。
心(しん)はこのような火の性質を色濃くそなえています。
土(ど)は大地のこと、いろいろなものが育つところです。
脾(ひ)はこのような土の性質を色濃くそなえています。
金(こん)はさまざまな形に変化していきます。
肺(はい)はこのような金の性質を色濃くそなえています。
水(すい)は潤いであるとともに生命の源でもあります。
腎(じん)はこのような水の性質を色濃くそなえています。

 

ヒトのからだは不思議ですね。
こんなにも性格が大きく違う5つの臓器がお互いに主張し、ぶつかり合いながらも調和は保たれ、生命は維持されています。

 

では、その秘密を探ってみましょう。
実は五行には、おとなりさんを生み出す関係があります。
それは木→火→土→金→水(もっかどこんすい)の順にならんでいます。
木を摩擦すると火がおこり→火が燃えつきると灰を生じて土にかえり→土の中には金属類が含まれており→金属が溶けると液体(水)になり→水は木の成長に欠かせない、というものです。

 

さらに五行にはやっつける関係もありました。
それは木→土→水→火→金の順になります。
木は土の上に生える→土は水をせき止める→水は火を消す→火は金属を溶かす→金属は木を加工する、というものです。

 

このように性格の大きく違う5つの臓器が、ヒトという一つの入れ物に納まるわけは、発生の連鎖と、出る杭を打ち合うという関係に裏打ちされていたんですね。
このような5つの臓器の密接な関係をみておわかりのように、五臓のうちのひとつがやまいに犯されると、ほかの四臓に影響を与えてしまうことは臨床でよくみられます。
思わず「五行説」に納得する瞬間でもあります。

 

元氣堂通信 第19号 五行説   コメント:0