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第23号 ~ つぼ(2007年9月)


0709みなさん、突然ですが日本地図を思い描いてみてください。
そして、その上に鉄道の路線図を書き加えてみましょう。
そんなことできない、という方はJRの時刻表をご覧下さい。
全国津々浦々、いたるところに線路が張りめぐらされています。
そして、線路と線路が交差するようなところには、大きな駅があります。

 

今回の話では、日本列島をヒトのからだにあてはめて、経穴(つぼ)について考えてみます。
もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、全国のいたるところに張りめぐらされた線路とは、先月お話した経絡(けいらく)のことです。
このように、経絡は全身をくまなく連絡しています。
そして、そのような線路の上に一定の距離をおいてならんでいるのが駅=経穴(つぼ)です。
つぼとは、経絡を流れる気血津液が集中するところ、あるいは小休止するところといえます。
線路のうえを走る電車は生命活動を維持する気血津液(7月号に記載)に相当します。
エネルギーや栄養分を全身に配達して、老廃物を回収するはたらきをします。

 

ここで、みなさんにお伝えしたいことがあります。
それは、ツボの重大な性格のことです。
実は「ほとんどすべてのつぼには三つの顔がある」ということです。
つぼは、二重人格ならぬ三重人格者なのです。
AB型の人の一段うえをいくわけです。

 

ひとつめは「その場所に効く」というものです。
頭が痛い、膝が痛い、腰が痛いというとき、その痛む場所そのものに刺激を加えると非常に効果的です。

 

ふたつめは「経絡に効く」というものです。たとえばあるひとつの経絡は人差し指の先から腕を通り、歯に流れこみます。ですから、歯が痛いとき、直接痛む歯に刺激を加えるのではなく、経絡でつながっている指や腕のつぼを刺激して治療を行うことができます。
さきほどお話したように、つぼは経絡を流れる気血津液が集中するところです。
つぼに適当な刺激をくわえると、経絡を流れる気血津液のかたよりが調整されます。
そうすることで、経絡を通してつながっているところのやまいを治療することができます。

 

三つめは「内臓に効く」というものです。
妊婦が逆子のときに、足の小指の先にお灸をすえると胎児のからだが反転することがあります。
この理由は東洋医学の理論を用いても、現代の科学で検討しても解き明かせないことなのです。
しかし、昔から逆子にはこのような治療が行われて、効果をあげてきました。
まさに、純粋に経験を頼りにしているわけです。

 

また、つぼにはいろいろな反応がでます。
押すと痛い、とても敏感、脹れている、硬い、冷やっとする、熱いなどがよくみられます。ほかにも皮膚のツヤ・かさつき、デキモノ、筋肉の凹みなどとして表現されます。
そのようなつぼを探り、そこにはり・灸・指圧などで適当な刺激を加えることで経絡を流れる気血の流れを調整して、内臓の働きをととのえ、やまいを治療します。

 

元氣堂通信 第23号 つぼ   コメント:0