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第28号 ~ おねしょ(2008年2月)


0802こどもが夜寝ている間に無意識に小便をもらしてしまう「夜尿症(おねしょ)」、だれしも一度ならず経験しているかと思います。
ふつう4、5才になって、昼間はひとりトイレで用を足せるのに、夜になるとお漏らししてしまうような場合を夜尿症といいます。

 

さて、生命活動のほとんどすべてについて言えることですが、尿をだすという行為もかなり複雑な過程をへています。
私たちは神経の伝達がうまくいっており、それに反応する膀胱や尿道の筋肉が正常にはたらいてこそ、はじめて尿をだすことができます。
ところが乳離れして間もないこどもの神経の連絡は、ふつうあまりうまくいきません。
また夜、こどもたちの眠りはとても深いものです。
とくに真夜中になると、中枢神経の連絡が十分に伝わりません。
それがこどもたちにおねしょの多い原因ではないかと考えられています。
さらに悪いことに、こどもの世界では「おねしょ」はあきらかに犯罪です。
くりかえされるおねしょに対しては、保護者の堪忍袋の緒も切れようというものです。
その結果おねしょの常習犯は、夜をむかえるのがだんだん恐ろしくなってきます。
朝になって大人たちにしかられている姿を想像するだけで、身震いがしてきます。
このような心理的なプレッシャーも神経の伝達に悪い影響をあたえているといえます。

 

では鍼灸治療のおねしょに対するアプローチ法をご紹介しましょう。
治療にさしあたり、まずこどもの顔色をよく見ます。
そして疲れやすいかたずね、年齢にふさわしい成長をしているか見ていきます。
また腰が冷えているか、尿の量などもくわしく聞きます。
漢方ではおねしょを大きくふたつのタイプに分けてかんがえます。

 

ひとつめは小柄な体力が十分でないタイプ。
ふたつめは神経質なタイプ。
もちろん混合型の小柄で神経質なタイプもあります。 それぞれに対して、体質に合わせた治療をおこないます。

 

道具は細い針やもぐさを用います。
ほとんどの場合、針は刺入しません。
こどもにはむしろ少ない刺激のほうが効果的だからです。
こども用に刺激を少なめにしてつくった小児鍼や、ときに歯ブラシなどで皮膚をこすって治療します。
皮膚の色がほのかに赤くなるのを目安にします。
お灸もこどもに対しては熱い・やけどするような刺激の強い治療はしません。
熱すぎないお灸からスタートして、慣れていくにしたがって徐々に刺激量を増やしていきます。
とくに針灸治療がよく効くおねしょは、一週間に1、2回程度するものであったり、ある程度おねしょのない日が続いたあとにお漏らしするタイプのものです。
おねしょの治療で大事なことは、まわりの環境です。
こどもがおねしょをしたからといって、ため息をついたり、強く叱らないことが大切です。
あせらず気長にかまえて下さい。
針灸治療はきっとよいお手伝いができることでしょう。

 

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