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第30号 ~ 花粉症(2008年4月)


0804今月は、みなさんお悩みの花粉症についての話です。
この花粉症という名称は、現代医学でいうアレルギーの視点からつけられたものです。
ですから漢方の古い文献をひも解いても、このような名前は見当たりません。
ところが、その症状となると話は別。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、目の充血、のどの違和感、耳の閉塞感など、花粉症でよくみられる症状に対しては、その治療法が過去にさかのぼってたくさん記載されています。
漢方的な治療を行う場合、そのような先人の経験はとても参考になります。

 

それはさておき花粉症、いったいからだの中で何がおこっているのでしょうか。
現代医学的に理屈をかいつまんでお話しますと…。
まず最終的に花粉症に行きつくまでには、大きく記憶期と反応期にわけて考えます。

 

記憶期には、ある日大量に吸い込んだ花粉に対して、からだの中で免疫反応がおこります。
免疫とは何かといいますと、今度そいつら(花粉)が来たら、やっつけるために抗体というものをつくり、記憶することです。
ちなみにこの時点では、まだくしゃみ・鼻水などの症状は現れていません。
しかしそれからしばらくして、人体と花粉とのバトルが始まります。
以前に大量に吸い込んで、からだの中に大量の抗体がつくられた、それとおんなじ花粉を吸い込んでしまったとき、反応期はやってきます。
目や鼻から侵入した花粉は、その粘膜内であらかじめつくられて待ちかまえていた抗体と反応します。
そうすると、ヒスタミンという物質が神経や血管を刺激します。
その結果が止まらない鼻水であり、目のかゆみとなるわけです。
たしかに免疫の力は、からだになくてはならないものです。
しかしそのはたらきも度を越してしまうと、害になるのです。免疫も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」のようです。
このように過敏に反応してしまうからだを、元の状態に近づけることを得意とするのが漢方治療です。

 

さて花粉症も漢方の目で見ると、じつに様々です。
漢方では特にどんなときに症状が悪化するのか詳しくたずねます。
冷えによるものなのか、熱さによるものなのか、疲れによるものなのか、水分代謝が悪いときおこるのか、その原因を見つめます。
そしてそれにふさわしい漢方薬、ツボ刺激などで治療をおこないます。

 

ほんの一例を申し上げましょう。
朝起きてから、くしゃみ・鼻水がひっきりなし、外出して冷たい風に当たるととたんにくしゃみ・鼻水が出て、目がかゆくなり、時々寒気がするようなタイプ。
そういった方には、「合谷(ごうこく)」というツボがとてもよく効きます。
場所は手の親指と人差し指の間、押すとツーンと響くところにあります。春の間だけでもお灸をすえてみましょう。
免疫という、とても繊細でしかも重要なからだの機能をゆっくりと適度に調えてくれることでしょう。

 

元氣堂通信 第30号 花粉症   コメント:0