過敏性腸症候群(IBS)・頭痛・生理痛・腰痛・五十肩・座骨神経痛・腱鞘炎|横浜・保土ケ谷・天王町

過敏性腸症候群・疼痛治療の元氣堂鍼灸院|横浜・保土ケ谷

第31号 ~ いぼ(2008年5月)


0805鍼灸治療、とくにお灸により、簡単に「いぼ」が取りのぞかれることがあります。
ただし、すべての「いぼ」がお灸により取りのぞかれるわけではありません。
限られたある範囲の「いぼ」に対してのみ有効である、ということです。
「いぼ」にはいろいろな種類があります。
その中で、手足や顔面にできたウイルス性の「いぼ」に対して、鍼灸治療が適用します。
さて一体、どのように治療するのでしょうか。

 

その方法はいたって簡単。
じかにお灸をすえるだけなのです。
もぐさをひねり、「いぼ」の上に載せて焼ききるだけです。もぐさは「いぼ」よりも小さくひねります。
はじめは熱さを感じません。
「いぼ」には温度覚がないので、「いぼ」の下にある正常な皮膚に温かさを感じさせます。何壮かお灸をすえていくと、しだいに熱さを感じるようになっていきます。
しばらくして熱が透ったなと感じたところで止めます。
小さなものは、2、3日、大きなものは2、3週間で消失します。
なお群発する「いぼ」に対しては、そのなかで一番大きなものにお灸をすると効果的です。
大きな「いぼ」が消えていく過程で、不思議とまわりの小さな「いぼ」も消えていきます。

 

また「いぼ」には、はと麦を煎じたものがとてもよく効きます。
内服による治療法です。市販のはと麦茶でもかまいませんが、これらには通常はと麦の殻がついています。
できましたら治療には、漢方薬局で購入できる殻をむいたもの(苡仁・よくいにん)を利用しましょう。
つくりかたは、いたってシンプル。
大さじ2杯のはと麦に(15g)、3カップの水を入れ、水の量が半分になるまで煎じるだけ。
あとは、汁をこして空腹時に温めて2~3回にわけて服用します。
お灸をすえづらい顔面にできた「いぼ」に対して、このはと麦の煎じ汁が効果的です。

 

最後に余談をひとつ。東京の西新井大師に塩地蔵なる、お地蔵さんがあります。
こちらのお地蔵さん、いつも塩の山に埋もれていてなかなかお顔を拝見することができません。

 

その理由は不思議なご利益にありました。
じつは江戸時代から「いぼ」に悩む人たちが、この塩をいただいて自分の「いぼ」につけると効果があると信じられてきたのです。
顔に「いぼ」のある人は、お地蔵さんの顔についている塩をちょうだいしてつけたり、またはお湯に溶かして飲んだりしました。
塩の山に埋もれているお地蔵さんから、自分に「いぼ」のある場所の塩をいただいて、こする(治療する)わけです。
さて、ここに重大な約束事がありました。
もし効果があったなら、塩を倍返しするという習わしです。
何とたくさんの人たちが、お地蔵さんに救われたことでしょう。
お地蔵さんがみえなくなるほど高くつまれた塩は、「いぼ」に悩まされた人たちの厚い信仰心の結晶だったのです。
「信じるものは救われる!」古の医者の嘆きが聞こえてきそうです。

 

元氣堂通信 第31号 いぼ   コメント:0