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第39号 ~ 汗をかかせる(2009年1月)


0901新たな年を迎えました。本年も宜しくお願い申し上げます。
元氣堂通信も4年目を過ぎるといささかネタ切れの感があります。
ここで一丁気合を入れ直す意味で、今年は漢方の治療方法についてシリーズでお伝えしていきます。

 

ご愛読されている方には耳にタコでしょうが、漢方とは中国から日本に伝えられた伝統的な医学のことです。
しかし中国で行われている医学がそっくりそのまま日本で用いられることはありません。中国と日本の間には気候・風土・体質などに大きな違いがあるからです。
この違いを考えたうえ、それを埋め合わせる作業が、大変な労力と長い年月をかけて行われてきました。
その結果、日本に暮らす人々にふさわしいかたちに変換された医学を漢方といいます。

 

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、漢方という言葉にはせまい意味とひろい意味のふたつが含まれています。
せまい意味の漢方とは、煎じ薬のことです。
一般に漢方と聞けば、このような飲み薬としての漢方薬をイメージされる方が多いと思われます。
じつはもうひとつの広い意味の方が漢方の本質を現しています。
こちらは、煎じ薬、鍼、お灸、あんま、食事、運動法などをまとめてひとくくりにして、ひとつの医学体系として言っています。
このように漢方医学というのは、本来とても広くて大きな治療の幅をもっているのです。このコラムでは常に広い意味で、漢方という言葉を用いています。
「漢方=煎じ薬」という意味では用いません。
はり・灸の治療院のコラムで、なぜ漢方の話をするのか納得していただけるかと思います。

 

さて漢方の治療法のひとつめは「汗をかかせる」です。
どうして汗をかかせるのかというと、それは身体に入ってきた悪いものを身体の外に追い払うためです。
漢方では身体に入ってきた悪いもののことを邪(じゃ)と呼びますが、この邪が身体に入りこむと皮膚の表面で免疫の力と闘いをくりひろげます。

 

その結果が、発熱であったり、頭痛であったり、咽喉や身体の節々の痛みであるのです。
私たちが熱や痛みを感じるのは身体が邪と闘っているあかしだったのです。

 

このようなときに邪を追い払う方法の一つが「汗をかかせる」ことです。
みなさんも、経験したことがありませんか?
かぜをひいて、ぞくぞくする寒気があるときに温かい格好をして汗を出すと、かぜが抜けていくことを。
この場面のように、「汗をかかせる」ことは、身体の表面に邪が入りこんだときに行われる治療方法なのです。
漢方薬では、発汗を目的とする方剤が処方されます。
同じように鍼灸院では、発汗することを目的によくお灸による治療がおこなわれます。
特に背中や首すじのツボが大切です。
あまりだらだらと、たっぷりの汗が出てしまうのはよくありません。
じわっと汗をかかせることがポイントです。

 

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